主成分分析を使った簡単なRelative Value戦略 – 米スワップレート編

概要

  • 単に主成分分析を使って主なファクターで説明される部分と、説明されない部分を用いるという物
  • ワークするかワークしないかは保証しません

Rコード

図表

図1. まずはスワップレートの推移

特にコメントするまでもありませんが、日本のイールドカーブとは違ってダイナミズあふれるものとなっております。2000年代前半とリーマンショック直前まではイールドカーブはほぼフラット。
直近も利上げ期待に呼応する形で短い金利は上昇傾向です。
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図2. ファクターローディング

これもよく言われる話ですがイールドカーブの”変動”は3つのファクターで大方説明されます。
ただし今回はRelative value戦略を見たいので、金利”水準”を主成分分析対象としています。
結果は省いていますが、水準で主成分分析を行なった場合も、3つファクターで大方説明されるようです。
(というか1つめのファクターで96%が説明される模様。ほんまかいな。)
ということはイールドカーブ(の標準化したもの)は下図の線形和でだいたい説明されるということになりますね。
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図3. スコアの推移

第1ファクターローディングがマイナスなので見づらいですが、ここ15年間金利は基本的に低下していたため、第1スコアは上昇傾向となっています。で、直近は第2ファクターがマイナスの値をとっておりまして、要するにベアフラットニングみたいのを説明しているんですかね、よう知りませんが。
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図4. 5月20日時点でのイールドカーブ

out.Actualとなっているのが実際に観測されたイールドーカーブ、out.Estimatedとなっているのが3つのファクターにより説明される部分のみを抽出したイールドカーブとなります。
今回のRelative value戦略の思想としては、「3つのファクターで説明されない部分はノイズであり将来修正される」としていますので、この差が大きい部分をロングなりショートなりするという形になります。
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図5. イールドカーブの差分

図4の差分をプロットしたものが以下。Actual – Estimatedを図示していますので、プラスの値が割安(観測される金利が高い)、マイナスの値が割高(観測される金利が低い)となります。
今回はスワップなので3年固定を受けて、10年固定を払うという感じですかね。
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元本をデルタニュートラルになるように調整して、このイールドカーブの差分が解消されるタイミングでアンワインドするというのが理想的なシナリオでしょうか。

ということで簡単に主成分分析でRelative value戦略というのを考えることもできますが、この分析での問題点としては

  • ファクターで説明されない部分が修正されるとは言っていない
  • 仮に修正されるとしても、それにどのくらいの時間が必要かは分からない
  • 3年受け10年払いのポジションの場合、スティープニングのポジションを取ることになりますが、おそらく要らんファクターエクスポージャー(リスク)を持っている。

とかですかね。

今回は金利スワップなので個人は取引できないですが、例えば同じ業界内の株式などでも同様の分析をつかったRelative value戦略はできそうですね。ショートするのが大変かとは思いますが。
あとは個別銘柄リスクを負うことになりますね。。。
日経平均とTOPIXとかは分析していないので分かりませんが、差分が出てこなさそうなイメージ。コスト割れしそうですね。

為替などでも出来るんですかね。あんまり調べてないですが。
AUD対NZDとかSEK対NOKとかですかね。

コモディティだと今ホットな原油系ですかね。誰かお願いします。